どーも。試験まで残り3ヶ月、社会保険労務士の勉強への焦燥感がチラつく日々、公平です。
本日は、「集中とマルチタスク」をテーマにお話したいと思います。
【「あれもこれもやらなくちゃいけない!」、マルチタスクは脳の働きを低下させる。】
さて、早速ですが、皆さんは
「マルチタスク」で物事を処理していますか?
マルチタスクとは、文字どおり、マルチ(複数)なタスク(業務)を同時に行うことです。
例えば、普段の生活だったら、
年金関係の申請しなきゃ、だとか、言われた食材スーパーで買ってこなきゃ、とか(笑)。
特に、職場だったら、取引先に電話やメールをしたり、プレゼン資料を作ったり、
マルチタスクを求められることは多々ありますよね。
そして、うまく物事が進むと、効率的に業務をこなしていると感覚になるかと思います。
しかし、
このマルチタスクには、かなりの弊害があるということは、案外知られていません。
ある研究(Microsoft Research)によると、
マルチタスクは生産性を最大40%も下げてしまうという研究結果があるそうです。
実際、僕自身も仕事で上司からマルチタスクを求められることがありますが、
脳の処理が追っついてないなぁ…と思うことがしょっちゅうです(笑)。
そのため、本来ならば、ひとつの物事に集中するのが最も効率が良い、ということなんですね。
というか、
そもそも「マルチタスク」という言葉自体が存在しない
なんて考えもあります。
この理由としては、
脳の構造的に、人間は2つ以上のことを同時並行で行えないようになっているから。
複数の作業を進められているように感じているのは、
ある作業から次の作業へというように、瞬時に切り替えができているからなんですね。
この切り替えのエネルギーがあるために、少しずつ生産効率が低下していき、
タスクが複雑になればなるほど、この効率は元と比べ大きく減衰してしまうのです。
いつの間にか、日常的にマルチタスク思考が身に付いてしまっている方は、
これを機に、『シングルタスクの思考』を身に付けてみてはいかがでしょうか?
【ひとつのことに集中する、禅のススメ。】
とは言え、「時間を無駄にしたくない!」という考えがこびりつき、
なかなかひとつの物事に集中する経験も、日常的に少ないかと思います。
特に、日本人は真面目で勤勉で、嫌でも効率性を意識しなければならず、
マルチタスクで処理しないと不安だ、という方も多いかと思います。
しかし、先ほどお伝えしたように、マルチタスクの弊害は計り知れません。
たった1日、1週間の継続では問題は表には出てきませんが、
これが積み重なっていくうちに、非常に大きな問題になり得ます。
まさに、チリも積もれば山となるです。
そのため、ぜひ皆さんには、ひとつの物事に集中する思考法、
『シングルタスク思考』を日々の中で実践してほしいと思います。
その思考に行き着くまでの方法として、具体的に提案したいのが、
「禅」のススメです。
いや〜坐禅なんて敷居が高いなぁ…
さすがに初心者の自分には無理だよ…
なんて声が聞こえてきそうですが、そんなことはありません。
最近だと、2017年の2月にスタートしたプレミアムフライデーにて、
坐禅を組んだ安倍首相の写真がアップされたことも、記憶に新しいかと思います。
実際、世界のトップと言われるような方々、例えば、
故スティーブ・ジョブズやイチローなども「禅」に心を奪われているのです。
僕自身も、「スティーブ・ジョブズの愛読書」と言われている本、
『禅マインド - ビギナーズ・マインド』
を知り、読んでみてから興味を持つようになりました。
禅は、なにも、ひたすらお坊さんがお寺で行うだけのものではありません(笑)。
仏教従事者の方であるかどうかは関係なく、普通の人が、
ビジネスの世界でもプライベートの世界でも、 マルチタスクの頻度を少なくするために必要なものなんです。
「禅」というのは奥深いものなので、なかなか軽々しく語ることはできませんが、
今回のテーマに近い、禅語のひとつ、『一行三昧』という言葉だけ知っていただければと思います。
【一行三昧(いちぎょうざんまい)】
三昧とは梵語のサマディー(三摩地)を音訳したもので、「定(じょう)」「等持(とうじ)」の意があり、心を一境に専注することです。この三昧と、「常に一直心(いちじきしん)を行ず」という言葉が合体して、何時とはなしに一行三昧の言葉が生まれました。「常に一直心を行ず」の語意が理解できれば、自ずから一行三昧の意も頷くことができると思います。直心とは、「直心是道場」の直心で、まっすぐな心、混じりけのない純一無雑な心、分別執着のない心です。ゆえに、何時でも何処でも何事をなすにしても、そのことに純一であれというわけです。仕事をする時には仕事三昧、遊ぶ時には遊び三昧、食事の時には食事三昧、勉強の時には勉強三昧、その間に一点の雑念妄想をはさむことなく、全身全霊をもって事にあたる、これがまた、一行三昧でもあるわけです。いってみれば「禅」の生命もその一行三昧から始まり、一行三昧に終わると言っても過言ではありません。
(引用:『禅語「一行三昧」: 臨済・黄檗 禅の公式サイト - 臨黄ネット』より)
この「一行三昧」という言葉のように、思い返してみれば、
心をひとつに集中する経験というのは、ほとんど無いのではないでしょうか?
迷いや不安というのは忘れようとしても、簡単に忘れられるようなことではありませんよね。
もし失敗して周りに迷惑をかけてしまったら…なんて考えてしまい、
何をするにも萎縮してしまったり億劫になってしまったり、なんてことは誰だってあります。
そんなときは、まず「マルチタスクは、効率的なようで実際のところは逆に非効率だ。」と考え、さらに、
「そもそも、人間の脳はマルチタスク処理はできない構造だ。」
と、立ち止まって考えるようにするのが非常にオススメです。
目の前のことに身も心も打ち込んでひとつなる…
案外この経験は、忙しい毎日に追われていると、気付かずに行わないものですよね。
ひとつのことに集中することで、自然に迷いや不安が消えていき、
心にゆとりが生まれ、穏やかな気持ちで充実した日々を過ごすことができます。
そこに至るまでの方法は、「禅」以外にいろいろあるとは思いますが、
人生の選択肢のひとつとして、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ちなみに、その他にも「一点集中」について知識を深めたいという方は、
以下の本が、「シングルタスクの重要性」が書かれていて分かりやすいです。
↓↓↓
それでは、今回これにて失礼します。
皆様に、心よりの感謝を込めて。
公平