時々、まわりみち。

真面目で優しいが故に自分が傷付く…そんな生きづらさを感じる人が強かに生きるヒントを綴ります。

人間この世の中を「等価交換の原則」で考えている。古典経済学から学ぶ人付き合いのヒント。

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どーも。GW10連休の間は思いっきり連勤、公平(@Dray_0629)です。

 

 

 

さて本日は、前回の人間関係(笑顔の数=高感度の高さ)の記事に引き続き、

経済学の「等価交換の原則」が人付き合いに使える という話をしたいと思います。

 

 

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【そもそも『等価交換の原則』とは?】

 

まず、『等価交換の原則』とは何なのか、という話から始めます。

 

 

そもそも、

『等価交換の原則』とはアダム・スミスやカール・マルクスといった古典経済学者が主張し、いまの経済学でもなお引き継がれている考え方 です。

 

 

 

「うわ〜!古典経済学とか…絶対ワカランわ!」とか言っているそこのあなた!

 

決してムズかしい専門内容の勉強と思わず、

まずはサラ〜っと『等価交換』についてかるい気持ちで見てみてください。

 

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ほんと簡単に言ってしまうと、等価交換=等労働量交換 というのが上記の考え方です。

 

 

 

 

 

この記事を読んでいただいている方の中には、社会人として仕事をされていらっしゃる方も多いかと思いますが、

まさにビジネスの世界にいると『等価交換の原則』を身にしみて感じるのではないでしょうか?

 

 

 

自分の労働量(=働いたことで提供できた価値)を会社にあげることで、それに見合った対価(=生活していくための給与)をもらっていますよね。

 

商売の原点は価値交換であり、その店でしか手に入らない価値を本当に必要とする人に提供した瞬間にこそ、最も幸せな相思相愛の関係が成り立つのだ。

  

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「いやいや!うちの会社は給料が安すぎて『等価』じゃない!」という反論…まさにココがポイントになります。

 

 

これはまさに

「お互いの “等しい価値” の認識が違う」ことが原因で不満が生まれてくる

のです。

 

 

 

 

 

ということを考えると、『鋼の錬金術師』でエドが言っていたセリフもうなずけますね。

『人は何かの犠牲なしに何も得ることはできない。何かを得るためには、それと同等の代価が必要になる。それが、錬金術における等価交換の原則だ。その頃僕らは、それが世界の真実だと信じていた』

 (引用:漫画『鋼の錬金術師』より)

 

鋼の錬金術師(1) (ガンガンコミックス)

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いまでは「不等価交換」という考えもあったりしますが、やっぱり基本原則は『等価交換』なのです。

 

 

 

【『等価交換の原則』をリアルな人間関係でどう活かすか】

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では、古典経済学の『等価交換の原則』ですが、

実際の人付き合いのなかでどのように活かせばいいのでしょうか?

 

 

 

そこで、いったん立ち止まって考えていただきたいのが、

「自分は『等価交換』マインドになっているかどうか」ということ。

 

 

 

 

 

 

…おそらく、ほぼほぼ「自分は『等価交換の原則』をもとに世の中を見ている」と考えたかと思います。

 

というのも、人間の脳の構造上、

「等価ではない!」と考えてしまった時点で「不平等だ!」と脳内でリンクしてしまうからなんですね。

 

今年はじめに『Nature』誌に掲載された、カルフォルニア工科大学の研究チームによる最近の論文を見てみよう。

実験では40人の被験者が、帽子からピンポンのボールを取り出した(ボールは被験者に見えないようになっており、半分は「豊か」、半分は「貧しい」とラベル付けされていた)。「豊かな」被験者たちはすぐに50ドルを与えられ、貧しい被験者たちには何も与えられなかった。それが人生というものだ。人生はほとんど公平なものではない。

その後、被験者たちは脳スキャンにかけられ、5ドルから20ドルまでの金銭的報酬を与えられた。彼らはまた、他の面識のない被験者に与えられる報酬についても話を聞かされた。 研究チームがまず発見したことは、被験者の反応は、彼らが最初に置かれた経済状況に完全に左右されるということだ。たとえば、「貧しい」グループの被験者たちは、現金20ドルの報酬を得た際に、脳の報酬にかかわる領域(腹側線条体など)が示した活動量が、最初に50ドルを与えられた「豊かな」被験者たちを大幅に上回った。これはよくわかる。何も持たないときは、小さなことでも全てがありがたい。

しかし科学者たちは、奇妙な現象も発見した。「豊かな」グループの被験者たちは、貧しいグループに属する面識のない被験者が20ドルを獲得したと聞かされたとき、彼らの報酬にかかわる脳の領域が、自身で同額の報酬を得たときを上回る活動量を示したのだ。言い換えれば、より持たざる者が報酬を得たことに、より大きな喜びを感じたということだ。

このような脳の反応はなぜ起こるのだろうか。科学者たちは、人間には不公平に対する自然な嫌悪があると推測している。実際、公平な結果を求めるわれわれの願望は、多くの場合、現金をもう少し手に入れたいという願望よりも、(少なくとも脳活動においては)強いのだ。

 

wired.jp

 

 

 

上記は「経済格差」に関する一例ではありますが、『等価交換』がされていないことで人間関係に及ぼす例はたくさんあります。

 

 

 

 

 

たとえば、日常で「◯◯さんにこれをしてあげたのに見返りが何もない…」なんて考えることってありますよね?

逆に「◯◯さんからいろいろお世話になってるから今度これしてあげよう!」ということもあります。

 

  

これを心理学の用語で「返報性の原理」とか言ったりもするのですが、

結局は「世の中『等価交換』で成り立っている」のです。

 

 

 

そう考えると、

「相手にとっての価値」を念頭に置いていくことがコミュニケーションで大切

ということがわかります。

 

まさに、これが「古典経済学から学ぶ人間関係のコツ」です。

 

 

 

 

 

こう言うと、 「マザー・テレサのような献身家の人はどうなるんだ!」 という反論もあるかと思いますが、結局は『等価交換』なんです。

 

だって、カトリック教会の修道会「神の愛の宣教者会」を創立し多くの人々を助けノーベル平和賞を受賞した彼女だって、

この偉業を「自分の中の内なる平和」と同じ価値であったと考えていたからこそ、成し遂げることができたのです。

 

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なので、その人にとっての価値の上下さえ見誤らなければ、『等価交換』で成り立っている世の中での人間関係はうまくいくのです。

 

 

 

 

 

ぜひみなさんも、経済学でいう『等価交換の原則』を意識して、それを日常生活に活かしてみてはいかがでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでは、今回これにて失礼します。

皆様に、心よりの感謝を込めて。

 

 

公平