(引用:GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代、という本が素晴らしいので、紹介することにした!【Life is sparks.】より)
どーも。GW振替休暇は楽しいことがたくさんあり「令和」は幸せな予感、公平(@Dray_0629)です。
さて、前回の記事では人付き合いについての「等価交換」の話をしました。
日常で「◯◯さんにこれをしてあげたのに見返りが何もない…」なんて考えることってありますよね?逆に「◯◯さんからいろいろお世話になってるから今度これしてあげよう!」ということもあります。
これを心理学の用語で「返報性の原理」とか言ったりもするのですが、 結局は「世の中『等価交換』で成り立っている」のです。
そう考えると、 「相手にとっての価値」を念頭に置いていくことがコミュニケーションで大切ということがわかります。 まさに、これが「古典経済学から学ぶ人間関係のコツ」です。
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この記事がなかなかに好評いただいため、今回はさらに深く掘り下げて、
「ギブアンドテイク」について、より多面的に考えていきたいと思います。
ペンシルバニア大学ウォートン校で組織心理学教授として著名なアダム・グランドさんの著書、
『GIVE & TAKE 〜「与える人」こそ成功する時代〜』をご紹介しながら見ていきましょう。
GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)
- 作者: アダムグラント,楠木建
- 出版社: 三笠書房
- 発売日: 2014/01/10
- メディア: ハードカバー
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Give and Take: Why Helping Others Drives Our Success
- 作者: Adam Grant
- 出版社: Weidenfeld & Nicolson
- 発売日: 2013/12/10
- メディア: ペーパーバック
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【世の中は3タイプの人間からなる】
まず最初に、「ギブアンドテイク」ということを考えたとき、
人間は3タイプからなる と本書では述べられています。
それがコチラ。
【Giver】ギバー(人に惜しみなく与える人)
【Taker】テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)
【Matcher】マッチャー(損得のバランスを考える人)
この3種類のタイプを考えてみて、あなたはどのタイプになるでしょうか?
「とにかく人の喜ぶ顔が見たいから絶対にギバーだな!」
「他人のことはどうでもよくって自分のことばかり考えてるからテイカー…?」
のように様々な意見があるかと思います。
その中で異色なのが「マッチャー」ですが、本書によると、ほとんどの人がマッチャーだとのこと。
たいていの人はマッチャーで、メンバーそれぞれが「信用口座」を当然もっていると考える。グループのメンバーが、与えることによって「信用」を得ると、マッチャーはそのメンバーに、グループの規範や期待からはずれてもよいという許可を与える。(p135)
このタイプの分類については、自分がどのタイプの要素が強いか診断サイトがありますので、
著者のアダム・グラントさんのHPを参考にしてみると面白い結果が得られるでしょう。
もちろん、この3タイプのうち「絶対にこのタイプになるべき!」ということは本書では提示していません。
いうまでもないことだが、本書は自然科学でいうような「法則」を提示するものではない。法則とは、いつでもどこでも再現可能な一般性の高い因果関係を意味している。本書は人間をあつかっている。いくら実証研究に立脚しているとはいえ、人間の行動についての絶対の法則はありえない。(p7)
「そしたら自分のタイプだけわかっても普段の生活に活かせないじゃないか!」 という反論があるのは当然のことですよね。
実は、本書で「最も成功できるタイプ」は示してくれていますので、ご安心を(笑)。
【最も成功を手に入れることができるのはどのタイプ?】
では、「最も成功を手に入れることのできるタイプ」ですが、
正解は…最も成功するのは「Giver(ギバー)」なんです。
たしかに言われてみれば、世の中で成功しているのは「利他主義」の方が多いですよね。
僕の知る限り数えきれないほど利他主義の方がいらっしゃいますが、
ここでは、京セラの名誉会長・稲盛和夫さんの言葉を見てみます。
利己、己を利するために、利益を追求することから離れて、利他、他人をよくしてあげようという優しい思いやりをベースに経営していきますと、会社は本当によくなります。「そんな博愛主義みたいな甘っちょろいことで経営ができるか」とおっしゃるかもしれませんが、経営の極意というのは間違いなく利他にあるのです。
(引用:稲盛和夫著『成功の要諦』 より)
では、「ギバー」に近づくためにはどうしたらよいのでしょうか?
この点については、本書には以下のように書かれています。
ギバーであるためにはどうすればよいのか。
(中略)
「がんばるな」というのである。ギバーであることは、考えてみれば人間の本性だ。もともと人間がもっている本性を正面から見据えて理解すれば、人間は自然とあるべきギバーに戻っていく。(p9)
なにも努力しなくても、人間の本性的に皆「ギバー」になるそうなのです。
ですが、本書では「最も成功するのも最も成功しないのもギバー」というように述べられていますが、
この違いは「自己犠牲型ギバー」か「他者志向型ギバー」かということから生まれるそうなのです。
では、いったいどちらが「最も成功するギバー」なのでしょうか?
【若者よ、他者志向のギバーたれ。】
ひとつ前でも見たように、Giver(ギバー)の中でも2タイプに分類されます。
・自己犠牲的なギバー
・他者志向のギバー
そして、「最も成功するギバー」が「他者志向のギバー」なのです。
自己犠牲タイプのギバーはその蓄えを使い尽くし、ヘトヘトに疲れ果てて、成功の階段の一番下に転げ落ちるが、他者志向のギバーは元気になるような与え方をするから、成功の階段の頂上にたどり着く。(p288)
たしかに考えてみると、ひたすら献身家である「自己犠牲的なギバー」は見返りを全く求めないだけに、
自己利益への関心がなく、最終的に「テイカー」に搾取され自分が損をするということが多い気がしますね。
ここで思い出した言葉が、
『東京喰種(トーキョーグール)』の「この世のすべての不利益は『当人の能力不足』」という言葉。
この言葉はご存知でしょうか? 「この世のすべての不利益は『当人の能力不足』」。昔ヤングジャンプで連載していた『東京喰種(トーキョーグール)』の一節なのですが、この言葉の背景には、主人公・金木研くんが拷問を受けていた際に、自分が弱いから不利益を被っていると感じたという体験があります。
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この言葉は、ひたすら「自己犠牲的なギバー」であった主人公・金木くんのお母さんが、
最後は「自己利益」を無視してしまい過労死してしまったことがキッカケで生まれた言葉です。
ここから、金木くんは「他者志向のギバー」へと成長し最後は大きな成功を手にすることになるのです。
…まぁ、このあたりはネタバレになるので、詳しくはぜひ漫画を読んでいただきたいです!(笑)
東京喰種トーキョーグール コミック 全14巻完結セット (ヤングジャンプコミックス)
- 作者: 石田スイ
- 出版社: 集英社
- 発売日: 2014/10/17
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というわけで、これまでの話をまとめると「ギブアンドテイク」的分類で人間は3種類いて、その中で「Giver(ギバー)」、
特に「他者志向のGiver(ギバー)」が最も成功に近い ということです。
メンタリストのDaigoさんも紹介されていて、科学的な根拠もきちんと存在していて、
なによりもただただひたすら面白い本ですので、ぜひ詳細は本書を読んでみてくださいね!
GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)
- 作者: アダムグラント,楠木建
- 出版社: 三笠書房
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それでは、今回これにて失礼します。
皆様に、心よりの感謝を込めて。
公平