どーも。人生の思い出に残る週末を過ごしてニコニコニコニコ、公平(@kohei_nagura)です。
さて、前回は『資本主義ハック』という本の紹介からの、その導入として、
「資本主義はあなたのためにある!」というお話をさせていただきました。
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そこで、今回は前回からの続きで、
第1番目の資本:「人的資本」について、お話させていただきます。
「人的資本」…これこそが3種類の資本の中で最重要!
【目次】
【「人的資本」の最強さ加減たるや…!】
〔あらゆる資本の元手を生み出す「知識・信用・人脈」〕
まず、今回ご紹介する人3種類の資本の中の「人的資本」は、さらに3つの要素に分解できます。
それが、
◉知識:スキル
◉信用:ブランド
◉人脈:ネットワーク
です。
私の会社員時代は、手段としてのスキルの強化とブランディングを常に平行して伸ばし続けた。なぜならその2つを高い次元まで高めることができれば自ずと質の高い人脈が作りやすくなるからだ。
(引用:『資本主義ハック』より)
著者の冨山さんも本書で述べているとおり、
「スキルの強化」と「ブランディング」 により「ネットワーク」を高められます。
実際、考えてみれば仕事でもプライベートでも「自分に能力がある」人が、
「自己アピール」していけば、おのずと人脈ネットワークが広がりますよね。
では、上記3点を伸ばすためにカギになるものは一体なんなのでしょうか?
それは…ズバリ「人に平等に与えられている24時間ある時間を支配する」ことです。
リターンを最大化して加速度的に資本の規模を大きくしていくための鍵は「時間をいかに支配するか」にあると言い切ってもいい。
(引用:『資本主義ハック』より)
たとえば、あなたが大学生や社会人だとして合コンに連日行っているとしましょう(笑)。
それで、調子に乗った友人が高いワインを頼みだして、一人あたり3万円もかかりました。
んで、友達はうまくいき自分にはなんのロマンスも生まれないまま時間だけが過ぎて、
終電を逃してタクシーで1万円かけて帰宅し翌日は寝不足でミスを犯し上司に怒られる…
こんな踏んだり蹴ったりみたいなことが、ちょっと誇張とはいえ日常で起こることはあります。
人生をどう楽しむかは人の自由ではありますが、少なくともこうした時間とお金の使い方が、
「投資」という観点から見ると大きな損失であるのは「人的資本」的に見れば当然です。
逆に、純粋に時間が生まれると、人的資本である
「知識:スキル」「信用:ブランド」「人脈:ネットワーク」に再投資することができるのです。
当たり前ですが、休日の10時間を、仕事のための勉強や語学または人脈の構築などにあてる人と、
休日の大半はダラダラと過ごしている人は、いずれは稼ぎ力の面で大きな差が開くはずですよね。
ただ、どうしても人的資本は意識しないと投資対象であることをついつい忘れてしまいます。
なので、これから、というか現在もですが、個人がお金を得る手段が複線化していっている時代、
人的資本への投資は生涯リターンに対してより顕著に表れるようになってくるのです。
〔子供への「0%税率」の相続〕
それでですね、この【「人的資本」の最強さ加減】を感じる具体例をひとつ紹介いたします。
というのが、「子供への相続が0%」というお話です。
まず、そもそも論、人的資本の大きな特徴は「資本としての流動性がない」ことです。
なので、これも当たり前っちゃあ当たり前のことなのですが、価値を生み出した結果として報酬を得たり、
人的資本に対する評価が現金にかわったりすることはありますが、死んだら資産価値は当然ゼロですよね。
ということで、この「資本主義」の世の中を理解している人というのは、
バランスシートにおいて自分の子どもたちを「人財」として捉えています。
そして、さらに教育という名の投資をすることで人的資本の継承をしているのです。
僕個人としても、現在は塾講師をしていますが、中学生や高校生に対する「教育業」をしている大きな理由というのは、
自分から生徒への人的資本の「相続」や「承継」が非常に重要だと考えているからです。
実際、親から子供への人的資本の「相続」や「承継」についても同様の捉え方ができます。
日本は、先進国のなかでも相続税が異様なほど高いので、所得税と同じく累進課税がかかり、
キャッシュだと最大55%(!)が国に徴収されてしまいます。(理不尽極まりないですね…笑)
なので、その子どもや孫に富を生み出す力がなかったら「分割+相続税」ですぐに元どおりになってしまうというわけです。
子どもに承継された稼ぐ能力、その人的資本に対しては、相続税はかからない。言い換えれば、脳みそには税金はかけられないということだ。ちなみにいまの日本には「教育資金一括贈与」という1500万円までの教育資金であれば非課税で贈与できる特別な税制度もある。
(引用:『資本主義ハック』より)
これを考えると、親にとっては子どもの稼ぎ力がアップすれば老後不安も緩和されるわけですので、
世の大人が中心となり、もっともっと世の中がいろいろな「教育」がされてしかるべきですよね。
親から子の頭脳へ非課税で資産移転が行われるという「教育費の非課税」という税制を利用すればいいのです。
これこそが、まさに「人的資本」の最強さを感じるエピソード!
…だと個人的に感銘を受けまくったというわけでございます(笑)。
【フラットの社会ほど際立つリーダーシップ】
〔リーダーシップというアービトラージ〕
さてさて、ここまで「いかに『人的資源』を意識しないともったいないか」についてお話ししてきました。
では、最後に「リーダーシップ」というアービトラージについて考えていきたいと思います。
(…「アービトラージ」がわからないという方、前回の記事に戻って復習するべし!笑)
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まず、あなたに覚えておいていただきたいこと、それは、
「この現代においてリーダーシップは大きな意味をもっている」ということです。
人の上に立ちたがらない人や自分の考えを持てない人が増えるなら、リーダーシップはいままで以上に大きな意味を持つ。だからこそ、ここにもアービトラージが存在している。
(引用:『資本主義ハック』より)
資本主義社会は、文字どおり「資本力の勝負」です。
なので、自分のピラミッドに資本を集約させた人が圧倒的に有利になります。
そのため、個人の「人的資本」を考えても、仲間を募ったり進むべき道を指し示してあげたりモチベートしたり、
人や人の心を動かすことができる能力というのは、特に人的資本と事業資本に大きなレバレッジをかけるのです。
「いや〜自分なんてリーダーなんて向いてないよう…」
というそこのアナタ、朗報です。
マネジメント能力は、実際に人を管理する立場になって試行錯誤のなかで身についていくケースが多いですが、
リーダーシップは誰でもいつでも身につけるチャンスがあります。
てかてか、いつでも誰でも身につけるチャンスがなければ、この世の中はヤバくなってしまいませんか?(笑)
そして、リーダーシップは誰もが発揮できるようになれば、この世の中ホントに大きく変わりますし、
なによりも、あなた自身がこの「資本主義」社会をうまく乗り切れて楽しく生きられるようになります。
自分一人では成し遂げられないことを全体で成し遂げることが組織の存在意義だとすれば、リーダーシップが強いほど大きな石を持ち上げられるということだ。
(引用:『資本主義ハック』より)
どんなに個人の資本の大きさがあったとしても、時間が自分自身の1日24時間から大きく増やすことができなければ、
当然リターンには限界があるので、大きなことを成し遂げるためには大きな資本を巻き込んでいく必要があります。
これは当然、大きな「人的資本」を巻き込んでいくことについても当てはまります。
大きなことを成し遂げるためには、必ず多くの人たちの支援が必要になりますよね。
そんなリーダーシップですが、リーダーといっても様々な種類があるから困っちゃいますよね。
過去の記事でも紹介しているのですが、「人に上手に依存する」のもリーダーのスキルのひとつです。
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そのほか、
・恐怖で支配するリーダー
・背中で語るリーダー
・主体性を持ったフォロワーを育てるリーダー
などもいます。
ただですね、その中でも現代に合っているのは、もうコレしかないと思います。
それが、「共感型リーダーシップ」です。
では、
この「共感型リーダーシップ」をどのように発揮していけばいいのでしょうか?
〔意義や意味付けの価値の高騰〕
先ほど述べた「共感型リーダーシップ」ですが、どんなタイプかというと、
・ビジョンを見せる
・ストーリーを語ることで共感してもらえる仲間を募る
・モチベーション喚起する
タイプのリーダーです。
共感型リーダーシップ自体は新しいものでもなんでもない。世の中の宗教家はみな共感型リーダーである。人間とは、人生とは、善悪とは、生死とは……。誰しもが迷うことに対して宗教は大きな物語を見せてくれる。人生に疲れた人にちゃんと意味付けをしてくれる。だから多くの人はそこを精神の拠り所とする。
(引用:『資本主義ハック』より)
これ、なにも今回の『資本主義ハック』の本の話に限らず覚えておいてほしいのですが、
【人は意義を求め続ける生き物である】ということは、あなたにとって必ず役立ちます。
そう考えると、日本をはじめとした先進国ではすでに「オンリーワン主義」になっていて、
人生の意味付けは自分でしていいと推奨される世の中になっているのは喜ばしい限りです。
だからこその「共感」。
共感型リーダーになって自らのビジョンを作り出すことが大事なのです。
そして、
そのビジョンを相手の心に響かせるようなストーリーテリング能力を持つことが必要です。
リーダーになるためには、自分のなかにビジョンがあるだけでは不十分で、それを相手に伝えていかなければならない。そこで必要なのがストーリーテリングの能力である。 ストーリーテリングとは文字通り、ものごとをストーリーで伝えるということだ。
(引用:『資本主義ハック』より)
ま、でもよく考えてみれば「リーダーシップ」の話に限らず理にかなっている話ですよね。
だって、冒頭の話を思い出してみてください。
「人的資本」の3種類ってなんでしたっけ?
「…3」
「…2」
「…1」
…そう。
◉知識:スキル
◉信用:ブランド
◉人脈:ネットワーク
でしたね。
ここでは、
ビジョンからのストーリーテリングが上記3種類の「人的資本」に内包されます。
だから、「スキル」を上げて「ブランディング」すれば、「ネットワーク」が増える、
つまり、「人的資本」を蓄積するためには「共感型リーダーシップ」が正しいのです。
では、具体的なストーリーテリングのやり方が気になるところですよね。
実際、ストーリーの創り方は2つに分けることができ、それが、
①相手から始まるストーリー:相手の現状がこれからどうなっていくのか、どういった課題が出てきて、どのように考えと行動をしていくのかという「未来のストーリー」
②自分から始まるストーリー:これまでの個人や会社の歴史や、ぶつかってきた大きな壁や今の想いが生まれた瞬間の話など「過去のストーリー」
です。
なにか人は判断をするときに、論理という判断軸(良い・悪い)と感情という判断軸(好き・嫌い)というものを持っています。
そのため、その「論理」面と「感情」面の両方に訴えることができるのが、この「ストーリーテリング」という能力です。
たとえば、大企業のトップのスピーチやTEDなどで各界の第一人者が行っているプレゼンを考えると、
非常に合理的な説明でありつつ感情に訴えかけるものもあって、相手の心を打つスピーチになっています。
本書『資本主義ハック』でもくり返し述べられていましたが、
人を魅了する力と話し方には時代の潮流さえ変える威力があります。
そういった意味で、
ビジョンを創り心に響かせるストーリーテリングの力を磨くのは非常に高いレバレッジがかかる方法なのです。
ぜひ、リーダーシップを発揮するときは「共感」、つまり
「なにごとにも意味づけする」ことを意識していてはいかがでしょうか?
【まとめ:個人のPERをコントロールせよ!】
いかがでしたでしょうか?
本日は、3つの資本の中でも特に重要な「人的資本」についてお話しさせていただきました。
ここまで「人的資本」を積み上げるためのヒントを『資本主義ハック』より様々な話を引用してお伝えしてきましたが、
なんだかんだで、「人的資本」で常に念頭に置くべきは個人の【PER(株価収益率)】だと個人的に強く感じています。
企業のPERは、将来性が期待されてPERが膨らんでも、実績が伴わなかったら自然と株価が実態価格に近づくようにできている。それは人の評価も同じ。実現できないことをできると言い続けてしまうと逆効果になるので、それなりの覚悟は必要である。
(引用:『資本主義ハック』より)
PER(Price Earnings Ratio)とは、株価が1株当たり純利益(EPS:Earnings Per Share)の何倍まで買われているか、
つまり、1株当たり純利益の何倍の値段が付けられているかを見る投資尺度がPER(株価収益率)ということです。
まぁ簡単に言えば、その会社(人)の期待値がPERですね。
PERが高ければ株価は割高ですし、低いほうが株価は割安と判断されます。
これを、まさに人にズバッと当てはめてみます。
若くして結果を出している人は、この先もっと結果を出してくれそうだという期待値のフィルターがかかります。
もちろん、その逆もしかり…それこそがPER。
人の評価は、必ずしもその時点の実力で決まるわけではなく期待値という魔法がかかるだけなのです。
これ実は、まったくおんなじ話が、
『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』
という本にも書いてあります。
すでに世の中は、過去の実績や履歴をもとに人を評価する社会になっています。
それが、もっと鮮明になる社会になりますし、もっともっと「期待値=PER」フィルターがかかるというわけです。
今後、社会は信用社会になっていくとよく言われる。イメージが湧かない人もいるかもしれないが、銀行でいうところの返済履歴のような個人の行動履歴がネット上のいたるところで残り、それが総合的に評価されて「信用スコア」や「レーティング」といった単位で点数化され、点数が高い人はそれに応じた恩恵を受けられる社会になるということである。それが本質的に意味することは、実力のある人や真面目な人、善良な人ほど得をしやすい社会になるというだけの話である。
(引用:『資本主義ハック』より)
たとえば、「前職は本当にひどい会社で~」「仕事や組織のレベルが低くて~」というように言ってしまうと、
自分のトラックレコード(過去の経歴や実績)を低めることは個人のPERを低めてしまうのです。
もちろん、常に大変なことだってあると思いますし納得のいかないことも多々あるかと思います。
かくいう僕自身も、いま前職の経験を思い返しても大変な経験だったと感じています。
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しかし、そんな自分のPERを低める解釈をして公言したところで自分の価値をマイナスにするだけです。
「あの会社は優秀な人ばかりだったから、非常に鍛えられました!」
「前職において、◯◯な結果や△△な結果を出してくることができました!」
「相当大変だったけど、鍛えられてあの環境だったから今があります!」
などと言ったほうが、個人PER的に良いに決まってます。
人的資本にレバレッジをかけたいなら、トラックレコード(過去の経歴や実績)を磨き続ける意識が重要である。骨太なトラックレコードは確実に人的資本を厚くする。将来的に転職したり、独立したり、起業したりすることを目論んでいるならなおさらだ。
(引用:『資本主義ハック』より)
あなたが、もし「自分がいた会社はレベルが低かった」と発言するのであれば、
「自分はレベルの低い会社にしかいられない人間だ」って言うことと同じです。
なので、まずは、
個人PERを高めるべく自分のキャラを早々に決めてみてください。
そして、戦略的にポジション取りをし実績を積み重ねていった結果つくられるのが、
あなたのブランド力であり、信用力であり、期待値ということになります。
資本主義は、競争の門戸が平等に開かれていて逆転も可能なシステムです。
特に、
将来的に大きいことをしたい若い方々にとっては、なおさらです。
めちゃくちゃ頑張って、「人的資本」を鍛えていってください。
そうすれば、個人PERが高まっていくことは間違いありません。
というわけで、
次回は「②金融・固定資本」です!また来週〜!
それでは、今回これにて失礼します。
皆様に、心よりの感謝を込めて。
公平