どーも。在宅ワークに慣れてきて数週間前を思い出すと「住めば都」的な今日この頃、公平(@kohei_nagura)です。
さて先日のこと、会社のメールでこんな文章を拝見しました。
政府批判は、民主国家の国民としての権利であり(ある意味)義務でもあると思っていますが、「ただのイチャモン」とは似て非なるものです。
それに、「ただのイチャモン」だけを言っている人ほど、参政権の行使(投票の事、「行動」です)はしてなさそうな気がします。
この文章からいろいろと考えてみたのですが、本日は
「真の民主主義の実現とは?」という少しだけ小難しいテーマでお話したいと思います。
【目次】
【民主主義(デモクラシー)とは?】
普段から当たり前のように使ってるコトバですが、
そもそも『政治』ってなんなんでしょうか?
なんとなくわかったつもりでいても、「改めて定義せい!」と言われたらなかなか難しいものですよね。
そこで、改めてカクニンしてみると、
政治:世の中のいろいろなことを話し合いで決めていくという営み
ということになります。
おそらく、職場でも学校でも「話し合い」という方法でルールを決めているかと思います。
実は、その話し合いでルールを取り決めることこそが政治なのです。
その政治のあり方のひとつに、民主主義(democracy, デモクラシー)があります。
この「デモクラシー」というコトバを見て、原敬元内閣総理大臣の「大正デモクラシー」を考えた方は多いんじゃないでしょうか?
「あ!昔々なんか日本史とかでやった気がする!」
「大正デモクラシー!…むりやり暗記したけど(笑)」
こんな「民主主義」についてザックリとしたイメージをお持ちの方も、
この記事をご覧になっている方の中には多いのではないかなと思います。
でも、民主主義というコトバ自体はすご〜〜〜く簡単です。
民主主義:ひとりひとりの意見を尊重して平等に決断する自由を与えること
ただ、これだけです。
なので、
平等に決断してもらい多数決で物事を決めるのが民主主義のルールなのです。
しかし、同時に「少数派の意見も尊重する」のも民主主義の大切なルールです。
じゃないと、マイナーな意見の人は救われずたまったもんじゃないですよね(笑)。
これについては、みなさんも今までに経験があるんじゃないでしょうか?
せっかく自分の考えがあるのに、多数決でボツになった経験。
それで悲しい想いをしたり、涙を飲むような悔しいことがあったかと思います。
当然ですが、こんなんは民主主義でもなんでもありません。
つまりは、
多様性を尊重する社会じゃないと実現しえないのが民主主義なのです。
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では、
そんな民主主義の実現は果たして本当に私たちの最終ゴールなのでしょうか?
【絶妙なバランスの取れた民主主義の難しさ】
まずは、先ほどの復習から。
Q:民主主義とは?
チッチッチッ…(時計の音)
…タイムオーバーです!
正解は…
A:ひとりひとりの意見を尊重して平等に決断する自由を与えること
…と考えると、本来ならば民主主義こそが理想のあり方な気がしますね。
しかし意外や意外、
民主主義であっても一度選挙で選んだ権力者を放っておくと独裁者が生まれてしまう危険性があるのです。
たとえば、前回ちょっとだけ取り上げたヒトラー。
もともとドイツにはワイマール憲法という民主主義の憲法があったにもかかわらず、国家社会主義ドイツ労働者党が勃興し、
気がつけばヒトラーが人気者になっており、民主国家の反対の独裁国家になってしまったのです。
ヒトラー「みんな!オレについてこい!」
国民「ワーッ!」
ヒトラー「法律も新しいのにするぞー!」(=ユダヤ人を迫害する法律)
国民「ワーッ!」
ヒトラー「明日からオレの独裁国家だ!」
国民「ワーッ!」
みたいに、民主主義国家であっても独裁国家になってしまうことなんて結構あります。
その国家が招いた悲劇は、言わずもがな、周知の事実ですね。
ヒトラーは、第二次世界大戦下でドイツのカリスマ的存在だと当時は崇め奉られましたが、ご存知のとおり、最後はソ連軍と米軍にはさみ撃ちにあって敗戦し自殺をしてしまいましたよね。
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かといって、国のリーダーが国民の言うことを「はいはい!いいよいいよ〜!」と聞いてしまった場合、
これは、逆に「ポピュリズム(大衆迎合主義)」という大衆の意見に流される国家になってしまいます。
なので、
政治家さんは「目先の欲や利益を求めがちな大衆を抑制する理性」が超必要なのです。
これ、特に最近のコロナ自粛期間だとわかりやすいじゃないですか?
国民1「コロナ期間でお金ヤバいんだ!援助金くれよ!」
国民2「マスク2枚とかナメとんのか!足りねぇわ!」
…
みなさんの周りにも、こんな欲望丸出しの方々がなかなか一定数は存在してるんじゃないかと。
特に連日のニュースとか見てれば、どっかのコメンテーターがこんなことばかりのたまってます。
この国民の希望をなんとか実現しようと、ポピュリズム的発想だと「わかりました!」と聞き分けよく受け入れてしまうので、
こと今回のコロナ対策期間に限っては、ある意味でズバズバとリーダーが決める独裁国家の方が合っているのかもしれません。
ちなみに、本日4/15付の朝日新聞の朝刊に歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリさんのインタビュー記事が載っていました。
独裁(国家)の場合は、誰にも相談をせずに決断し、速く行動することができる。しかし、間違った判断をした場合はメディアを使って問題を隠し、誤った政策に固執するものです。これに対し、民主主義体制では政府が誤りを認めることがより容易になる。報道の自由と市民の圧力があるからです。
(引用:2020年4月15日『朝日新聞』朝刊より)
ただ、もちろんポピュリズムがダメだからといって独裁国家になっても良くないですし、
つまりは、絶妙なバランスで取れた民主主義の運営がメチャメチャ大事になるわけです。
独裁国家のリスクについては、もうすでにヒトラーの話で述べたとおり。
というか、普通に考えて会社でも独裁的なワンマン経営は破綻する傾向にありますし、
みなさんの知り合いにだって、影でメッチャ嫌われてる独断偏見野郎っていますよね?(笑)
そのため、
「民主主義を活かすには、みんなで話し合って多数決で決めるというルールにしておく」ことを常に念頭に置かなければいけないということですね。
そのためには、国民ひとりひとりが協力するという意識を持つことが超大事なことなのです。
【ずーっと変わり続けていく民主主義を我々でつくり続けていこうではないか!】
特に、今現在の世界的パンデミック下では「国民ひとりひとりが協力するという意識を持つこと」が必要不可欠です。
新型コロナウイルス対策のため、世界の自粛の流れを汲んで日本も緊急事態宣言が発令されたにもかかわらず、
当然のごとく渋谷にデートに行ったり、近くの密集した公園で平気で子供を遊ばせたりしてる人いますよね。
いやいや、おいおい、なめとんのかと。
たぶん、こういう人たちはどこか他人事だと感じてるのでしょう。
はっきり言って、格段に当事者意識が低いです。
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ではでは、ここで僕の敬愛するT.N.さんのお言葉を拝借してみます。
一般市民の立場から、「イチャモン」ではなく、まっとうな政府批判をするためにはどうしたらいいかというと、月並みな回答にはなりますが、自分のできる範囲で勉強してから発言するしかないのではないかということです。
コロナの対応にしても、その他の日本の抱える諸問題(原発、憲法改正、税制度、経済政策、外交安全保障)にしても、一市民が専門家並みの知見を持つようになるためには、膨大な勉強が必要になります。社会生活を送る一般人が、そんなに勉強ばかりもしていられません。しかし、各トピックについて主要な論点くらいは押さえることはできるのではないかと思います。
結局は情報を集めて、そのときの自身にとって、一番納得のできる答えを見つけ出していくという、一見すると地味な作業の繰り返しが大切なのではないかと思った次第です。
というわけで、怒りの「コロナ対策で自粛しないマン」のディスりへと少し話が逸れてしまいましたが(笑)、
結局、本当の民主主義の実現は「ひとりひとりの勉強への努力」にかかってるのではないかということです。
まさにT.N.さんの仰るとおり、「自粛推奨して我々の給料減らすなら全額補償しろ!」とかいうイチャモンつけてるくらいなら、
自分で当事者意識を高めていって「できる範囲内で勉強」した方がよほど効率的で真の民主主義に近づくのではないでしょうか。
要は、
ひとりひとりの主体的な「勉強しよう!」が『真の民主主義の実現』につながるということですね。
そんなふうに、ひとりひとりの意識が変わっていくことで民主主義も形を変え続けていきます。
冒頭でも述べたように、民主主義には「少数の立場も尊重する」という原則もありますので、
いま現在の民主主義で出した結論というのは、とりあえずの宙ぶらりんの結論に過ぎないのです。
これをまとめると、
【少数意見もいつか逆転する可能性を残してあげれるように我々の手で常に新しい民主主義をつくり変え続けること】が真の民主主義の実現への近道である
ということですね。
ちなみに「ところでT.N.さんって誰??」という方は、ぜひコチラの記事を参考にしてみてください(笑)。
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というわけで、理想的な民主主義をつくりあげるのは一朝一夕では到底成り立つものではありませんが、
常に変わり続けて磨かれ洗練されていくような『真の民主主義』を我々の手でつくっていきましょう!
それでは、今回これにて失礼します。
皆様に、心よりの感謝を込めて。
公平