時々、まわりみち。

真面目で優しいが故に自分が傷付く…そんな生きづらさを感じる人が強かに生きるヒントを綴ります。

【決断本②】事実というものは、存在しない。存在するのは、解釈だけである。

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どーも。今週イチのビックリが「たまたま飲食店に入ってきた大きいオニヤンマをスタッフのお兄さんが手づかみしてた」こと、公平(@kohei_nagura)です。 

 

 

 

さてさて、前回は本の紹介も兼ねて、

千田琢哉さん『世界に何が起こっても自分を生ききる25の決断本』という本の内容について触れながらお話をさせていただきました。

 

www.life-travel-consultant.com

 

世界に何が起こっても自分を生ききる25の決断本

世界に何が起こっても自分を生ききる25の決断本

  • 作者:千田琢哉
  • 発売日: 2020/05/21
  • メディア: Kindle版
 

 

 

 

そんな本日は、第二弾として、

「思いどおりにいかないことについてどう考え方を変えていけばよいか」という話をしていきます。

 

 

 

【目次】

 

 

  

【思いどおりにいかないことなんて山ほどある】

 

さて、まずまず最初に確認したいのが

「けっこー思いどおりいかないことってないスか?」ということです。

 

  …なぜこんな話から始めたかというとですね、あまりに最近、

「努力すれば夢は叶うんや!」的な考え方が溢れていると思ったからです。

 

 

 

もちろん、この世界経済が下火の昨今、明るい楽観論でいきたいのもわかります。

 

ただ、同時に、

漠然とした努力だけで結果が出るほど甘い世の中でもないことも知っておかなければいけません。

 

 

 

 

 

それこそ、前回の記事で「『勤勉』でもよくない習慣となる『勤勉』がある」という話をしました。

 

「ムダな努力は認めない!」という発想は、まわりまわって自分自身を救うことになるということは忘れないでください。よく聞くコトバとして、「頑張ればなんとかなる!キミならできる!」というコトバがありますが、ある意味で正解、でもある意味では不正解です。なぜなら、そのヒトの努力で切り拓ける道と切り拓けない道があるからです。

 

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これ「勤勉」だろうが「努力」だろうが、なんとでも置きかえてみてもよいのですが、

「頑張ったのに思いどおりの結果が得られなかった!」なんて経験は誰しもがあるものかと思います。

 

 

要は、現代においては、

ヒトは「思いどおりにいかないことなんて山ほどある」というしごく当たり前のことを受け入れにくいようになっている

ということなんです。

 

www.memone.net

 

 

 

この夏のメチャクチャ暑い日に、汗が止まらなさすぎて「ああぁぁ〜!」ってなりながら学校や会社に行き、

ウザい友だちや同僚、また先生や上司のたわごとを聞いてイライラする方もいらっしゃるかと思います(笑)。

 

 

あれなんて、まさに本人なり「思いどおりにならない」典型例ですし、このアフターコロナの状況だってそうです。

 

 

ほんとは、できるだけ涼しい格好で街中を歩きたいのに、コロナウイルス感染者が増えているニュースを見てしまうとマスクをして歩かないといけない…

これぞ、あなたの意思ではどうにもならないであろうことです。(もちろん、その状況を「知識・知恵」で武装することもできますが、それは別の機会にでも。)

 

 

 

そして、これに関連して「新型コロナウイルス」を機に爆発的に売れた小説がありましたね。

 

 

 

【カミュ『ペスト』から学ぶこと】

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ペストとは戦争であり、独裁者であり、生であり、死であり、我々の人生そのものなのだ。決して思い通りにはならない存在、それがペストなのだ。

 

 

この「アフターコロナの世界」で、いまだに売れまくっている小説がアルジェリアの作家アルベール・カミュの小説『ペスト』です。

 

ペスト(新潮文庫)

ペスト(新潮文庫)

  • 作者:カミュ
  • 発売日: 2017/03/10
  • メディア: Kindle版
 

 

 

カミュといえば、不条理をテーマにした小説で有名です。

特にコロナ関連で売れに売れた本が、この『ペスト』という小説。

 

 

この小説は、悲しいけれど、

この世に生を受けてから私たちが思いどおりにならない人生を生きなければならないと決まっているということを教えてくれます。

 

カミュはペストとは人生そのものであって、決して思い通りになどならない不条理の比喩として芸術的に教えてくれたのだ。

 

 

 

もちろん、だからといって「あ!人生は決まっちゃってるのね!」といってサジを投げるように努力を放棄するなんてことはありえません。

こんなんは、昔の中世ヨーロッパ時代のキリスト教が全盛期の頃の「(本人は何もせず)神が救ってくださる…」の世界へ逆戻りです(笑)。

 

 

そうではなく、人間の動かすことのできる範囲を超えたことがらは事実として受け入れるしかないということです。

 

 

 

ペスト菌は決して死ぬことも消滅することもないものであり、数十年の間、家具や下着類のなかに眠りつつ生存することができ、部屋や穴倉やトランクやハンカチや反古のなかに、しんぼう強く待ち続けていて、そしておそらくはいつか、人間に不幸と教訓をもたらすために、ペストがふたたびその鼠どもを呼びさまし、どこかの幸福な都市に彼らを死なせに差向ける日が来るであろうということを。」

  

この『ペスト』の最後でも述べられているように、

【ペスト菌は決して死ぬことも消滅することもないもの】です。

 

 

ここでは、「ペスト」をあなたのイヤだと感じることや脅威と置きかえてみるとわかりやすいと思います。

たとえば、「不安」「悲しみ」、全人類に拡張すれば「武力」「差別」も「ペスト」にあたります。

 

www.nhk.or.jp

 

 

このように、決して思い通りにはならない存在…それが「ペスト」なのです。

 

 

 

  

【ニーチェの発想で力強く生きよ!】

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もしあなたが哲学に興味がなかったとしても、ニーチェの『ツァラトゥストラかく語りき』だけは読んでおく価値があると思う。本書は哲学書というよりも自己啓発書として読み進めることができるし、虚勢やメッキだらけの噓八百人生から現実を直視した本物の人生を歩みはじめるきっかけになってくれる。

 

 

ニーチェの『ツァラトゥストラかく語りき』は、とにかく僕の愛読書として大学時代に何回も読み尽くしました。

 

ツァラトゥストラかく語りき (河出文庫)
 

 

www.life-travel-consultant.com

 

 

簡単にまとめてしまうのももったいないくらいなのですが、要点をまとめると、

しょせん人生なんて同じことのくり返しで虚しいものだ。

人生そのものに意味なんてなにもない。

ただその人生に意味を持たせようと思うなら、自分自身がそう生きようとするしかない。

そのためには弱者の負け惜しみの象徴である「神」はなく、自分自身に頼ることが大事。

今あなたがこの世に生きているという事実を受容し感謝し、強くなるために命を燃やし尽くせ。

 

というような内容です。

 

 

 

 

 

私たちは生きているのではなく、生かされているだけである。しかしその敗北を正面から受容するということは、生きることを放棄するということにはならない。生きるということは、【それでも生きる】と決断することなのだ。

 

 

とにもかくにも、この世の中は不条理な世界です。

 

 

なにも自分は悪くないのに不利益をこうむる… こんなこと、あなたの会社や学校でありませんか?

そんなときに、「これこそが『生』なのだ!」と受け入れ力強く生きていけたらサイコーですよね!

 

 

 

 

 

ニーチェの思想として有名なのが、「永劫回帰」という考え方。

 

これは湖畔を散歩中に授かった発想だといわれており、永劫回帰とは同じことのくり返しであるということです。

 

 

そして、

あなたの人生はこの永劫回帰そのもの

 

なのです。

 

 

 

このように考えてみると、

どうせまわりまわってくる人生ならばポジティブに考えた方が良くないですか?

 

 

 

 

 

この世はすべて人間の解釈に過ぎず、解釈こそがこの世であるということだ。

 

 

 

20世紀を代表するドイツの哲学者マルティン・ハイデガーは、

「この世界はすべて人間の解釈次第で変わる」といいました。

 

この世に放り出された人間はたちは、世界のなかでさまざまなことがらと関わり合いながらも、

それらをイチイチ解釈しながら生きる存在として「世界 - 内 - 存在」という概念を提唱したのです。

 

 

ま、結局は、

「解釈次第で良くも悪くも変わるんなら、ポジティブ解釈でいこーぜ☆」っていう話ですね。

 

 

 

そして、そんなハイデガーと同じことをニーチェも言っています。

『事実というものは、存在しない。存在するのは、解釈だけである。』と。

  

ハイデガー『存在と時間』入門 (講談社現代新書)

ハイデガー『存在と時間』入門 (講談社現代新書)

  • 作者:轟 孝夫
  • 発売日: 2017/07/19
  • メディア: 新書
 
ニーチェ入門 (ちくま新書)

ニーチェ入門 (ちくま新書)

  • 作者:竹田青嗣
  • 発売日: 2014/01/24
  • メディア: Kindle版
 

 

 

 

とにかくとにかく、ニーチェハイデガーが言うようにですね、

力強い人生に変えるためには日々の考え方を少しずつ変えていく必要があります。

 

この不条理な思いどおりにならない日々を、解釈を変えてよい方向に導いてあげましょう!

 

世界に何が起こっても自分を生ききる25の決断本

世界に何が起こっても自分を生ききる25の決断本

  • 作者:千田琢哉
  • 発売日: 2020/05/21
  • メディア: 単行本
 

 

 

 

ではでは、次回ラスト、

「決断本(=『世界に何が起こっても自分を生ききる25の決断本』)③」をお楽しみに〜!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでは、今回これにて失礼します。

皆様に、心よりの感謝を込めて。

 

 

公平