どーも。あと2週間ほどで今年が終わってしまうことに驚きが隠せません、公平(@kohei_nagura)です。
さてさて、もう気がつけば年末感ハンパないですね。
そんな時期ということもあって、おそらく仕事にプライベートに大忙しで、
なのに、腰が重くなかなか「行動」にうつれないという方も多いかと思います。
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というわけで、本日は「行動経済学」の理論のひとつである、
『ナッジ理論』について、つらつらと話していきたいと思います。
どんな人でも無意識に即行動してしまう『ナッジ理論』とは…?
【そもそも『ナッジ(nudge)理論』とは?】
あなたは、行動経済学のコトバで『ナッジ理論』というコトバを聞いたことがありますでしょうか?
この「ナッジ理論」というのは、「小さなアプローチで人の行動を変える戦略」のことです。
2017年にノーベル経済学賞を受賞した経済学者のリチャード・セイラー博士と、
ハーバード大学のキャス・サンスティーン教授が、2008年に提唱した原理です。
そもそも、この「ナッジ(nudge)」というコトバは、ひじで軽く突いて注意を促すことです。
「(ヒジでツンツンして)おいおい気づいておくれやす」的な。
これで、その人の行動を変えようというのが『ナッジ理論』というものです。
We humans actually need help controlling our impulses - nudges.
人類には実際に衝動を抑えてくれる「ナッジ」が必要だ
このコロナ時代では特によく見かけると思いますが、
たとえばスーパーなどの「レジ前の床にある足跡マーク」。
なんかよくわからないですが、あなたは
無意識に足跡マークの上に並んでしまうのではないでしょうか?
「あ…そーいやソーシャルディスタンスね」みたいに(笑)。
これ別に店員さんから誘導や指示をされたわけではないはずなのに、
なんとなく「そうした方がいいかな」と感じて並んでしまいますよね。
まさに、これがナッジ理論(=ヒジで小突かれ理論)なわけです。
ほかにも超有名な話で、オランダのトイレのハエの話があります。
1999年、アムステルダムのスキポール空港は経費削減のため、
床の清掃費が高くついていた男子トイレに目をつけました。
そこで考えた案が、小便器の内側に一匹のハエの絵を描くというもの。
結果として、なんと清掃費は8割も減少した(!)らしいのです。
これは、男子トイレ利用者の「標的に命中させたい」という心理をうまく利用した良い例ですね。
というわけで、オランダのアムステルダムの小便器のハエは『ナッジ理論』の最も有名な成功例となりました。
また日常では、それはそれはたくさんの「ナッジ(nudge)」が他にも使われています。
たとえば、スーパーや雑貨屋さんにあるような「オススメ!」というポップだってそうですし、
街中の「いつもキレイにご利用いただきありがとうございます!」という張り紙もそうですね。
これ、ぜーんぶ『ナッジ理論』でを利用しているもので、
「おーい!」や「もしもし?」と無意識に呼びかけているのです。
とにかく、まずはあなたの身のまわりで
「いかに『ナッジ理論』があふれているか」を知ることが行動を変える第一歩です。
【パターナリズム+リバタニアリズム=最強のナッジ】
ここまできたら、あなたの行動を変えるまであと一歩です。
なぜなら、あとは自分にナッジ(ヒジ付き)すればいいだけだからです。
「…?」というかんじですよね。
うん、わかります、わかります。
その話をする前に、まず「パターナリズム」と「リバタニアリズム」の話をば。
このコトバ自体なにやら難しそうなかんじがしますが、そう入り組んだ話でもありません。
単純に、強い立場の人が弱い立場の人を強制的に導こうとする考えを「パターナリズム」といい、
個人の自由を尊重しつつ各個人の自主性にゆだねるという考えを「リバタリアニズム」といいます。
もっと簡単にいえば、
パターナリズム(paternalism):めっちゃ強制
リバタリアニリズム(libertarianism):放任しまくり
という思想です。
これ、あなたの所属する学校や会社と考えるとイメージしやすいのではないでしょうか?
「あれせい!」「これせい!」となにもこちらの考えを汲まずに強制するのであればパターナリズムですし、
逆に、「いいよいいよ!キミの好きなようにやったらいいよ!」というのがリバタリアニリズムということです。
それでですね、こっからが本題。
実は『ナッジ理論』というのは、この「パターナリズム」と「リバタニアリズム」の2つを融合させたものなのです。
要は、
「ヒジでかるく突く」くらいのキッカケさえあれば良い結果につながるということですね。
ここでは、
パターナリズム→ヒジでかるく突く
リバタニアリズム→あとは個人の自由に任せる
ということだけわかっていただければ、ぜんぜんOKです。
…でですね、なぜこの話をもちだしたかというと、この「パターナリズム」と「リバタニアリズム」を知ることで、
「人間は自由な条件のもとでは不合理に行動してしまう」という行動経済学の前提条件に気づくことができるからです。
つまりは、
「なんだかんだ人間の本性って『怠け者』で『めんどくさがり』だよね〜」ということです。
これ、ホント恥ずかしい話、まったく同じような話がありまして。
いままで、ずーーーーーっと何年間も「ふるさと納税」をしようと思ってたのですが、
なかなか行動せずに、なにかと理由をつけて後回しにしていました(僕のことです)。
なにやら調べてみると、そもそもオトクすぎるし地域に貢献できるしで、やらない理由などないはずなのですが、
「あ〜なんか複雑や〜」「手続きとかめんどくさそ〜」など、やはり無意識にやらない理由を探してきました。
しかし最近、職場でもプライベートでも「ふるさと納税やったらいいよ!」という話を聞いて、
ついに自分の「やることリスト」に『ふるさと納税!』と登録しておいたのです(大きな進歩!)。
結果として、先日やっとのことで念願の「ふるさと納税」が無事に完了したのです。
【保存版】ふるさと納税のやさしい始め方!仕組みやメリットなどを分かりやすく解説
これは、まさに冒頭の「自分にナッジ(ヒジ付き)する」という話なのです。
僕の場合、ずっとやりたかったのにやらずにいた『ふるさと納税』に対して、
「お〜い、やった方がいいんでないかい?」とヒジで小突いただけなのです。
当然、これは「やりなさい!国民の義務なのですよ!」というものでもないですし、
ほっといたらほっといたで、「ま、やんなくたっていいか〜」思考になってきます。
このように、最初に「強制(パターナリズム)」さえ行ってしまうことができれば、
残りは、ただ「自由(リバタニアリズム)」にさせるだけで十分だというわけですね。
すなわち、この自らの「ヒジ小突き」こそが行動を起こすためのベストな方法だということです。
いうなれば、ナッジ理論こそ最強なり、ということですね。
というわけで、
ぜひ行動なかなかできないと感じている方は「ナッジ」を意識してみてはいかがでしょうか?
それでは、今回これにて失礼します。
皆様に、心よりの感謝を込めて。
公平