(出典:『賭博黙示録カイジ』9巻17ページより)
どーも。嵐のような1週間が過ぎ去り平穏な日々を過ごせつつあります、公平です。
さて、本日は最近読んだ本について久しぶりに書評を行いたいと思います。
その読み終えたばかりの本というのが…
『カイジ「したたかにつかみとる」覚悟の話』という本。
ご存知、福本伸行先生の代表作にして、映画化もされている大人気の賭博マンガですね。
僕自身、大学時代に麻雀マンガの金字塔・『アカギ』から入りましたが、
この『カイジ』シリーズは人生論も学べて、個人的にバイブル的な作品です。
そんな本日は書評を行いつつ、この『カイジ』の主人公・伊藤開司(いとうかいじ)の
したたかさ(強かさ)について考えていきたいと思います。
【目次】
【「したたかに」生きるとは?】
まずは、木暮太一さん著『カイジ「したたかにつかみとる」覚悟の話』について、
先にどのような内容の本かというのをご紹介いたします。
累計34万部突破、『カイジ×経済学』シリーズ最新作!困難に屈せず、最後に「勝つ」ための考え方とは?
「とくダネ!」で人気のコメンテーターが贈る、「カイジ×経済学」最新作!成果を出せる人と、出せない人。目標を達成できる人と、達成できない人。夢をつかみ取れる人と、夢が夢で終わる人。これらの違いはどこにあるのでしょうか?
その秘密を、気鋭の経済ジャーナリスト・木暮太一氏がカイジの生き方を通じて解き明かします。
カイジは、ろくに努力したこともなく、何か特別な能力や知識を持っているわけでもありません。にもかかわらず、大事な勝負ごとの局面で力を発揮し、勝つことができます。
それは彼が、「したたかさ」を持っていたから――。
既存のルールや常識に疑問を投げかけ、時としてルールを破ってでも自分にとって本当に必要なゴールにたどり着こうとする。そんなしたたかさこそが、最後まで生き残り、勝利を手にするために欠かすことのできない強さの秘訣だったのです。
ぜひあなたも、本書を通じて目標を成し遂げるための覚悟を見出してみてください!
(引用:サンマーク出版『カイジ「したたかにつかみとる」覚悟の話』より)
簡単に言えば、『カイジ』という作品から「したたかな生き方」が学べる本です。
…そこで、おそらく次に浮かぶのがこの質問。
「じゃ、したたかさ(強かさ)って何よ?」ということですよね。
では、ひとまず「したたかさ」ということを辞書で調べてみましょう。
- 強くて手ごわいさま。一筋縄ではいかないさま。
- 強そうなさま。いかめしいようす。
- しっかりしているさま。確かなさま。
- 大げさなさま。はなはだしいさま。
(出典:『大辞林 第三版)』より)
このように、実は「したたか(強か)」とは、
「強くていかめしい」だとか「しっかりしている」だとかいったようなプラスな言葉なんですね!
なんとなく、「ずる賢い」「腹黒い」なんていう否定的なイメージを持ちがちではなかったでしょうか?
つまり、
「したたかに生きる」=「相手に屈せず強く生きる」
ということなんですね。
設定した目標に貪欲に突き進み、他人の目を気にせずに粘り強く生きることができるようになり、
「したたか生きる」術を身に付ければ、必ずや最後には「圧倒的勝利」を得ることができるのです!笑
そして実は、本ブログ『時々、まわりみち。』の紹介文でも
真面目で優しいが故に自分が傷付く…そんな生きづらさを感じる人が強かに(したたかに)生きるヒントを綴ります。
のように強かさをテーマにしているのです。
それでは、そんな
「したたかさ(強かさ)」を手に入れるために必要な3つの条件
を見ていきましょう。
【したたかさ(強かさ)を手に入れるために必要な3つの条件】
〔①言いたいことを言う「発信力」を身に付ける〕
まず最初は、「発信力」を身に付けるということ。
この「発信力」については、本書で以下のように語られています。
社会が多様化していくと、「話を聞くこと(情報を受信すること)」以上に、「話を伝えること(情報を発信すること)」が重要になってきます。(p137)
(中略)
大きく考えると「話を聞いている人が理解できなかったことに責任がある」と考える「受信者責任」と、「伝える側が伝えられなかったことに責任がある」と考える「発信者責任」に分けられます。(p138)
世の中には、大別すると「受信力」と「発信力」というものがあり、
日本では長きにわたり「受信者責任」に重きが置かれてきたというのです。
たとえば、学校だと先生の言うことが理解できない子供が悪いということになり、
企業であれば上司の言うことが分からない部下が悪いと言うことになりますよね。
この「分からない奴が悪い理論」は冷静に考えればおかしな話なのですが、
この考え方がまかり通っている世の中を変えるのは相当難しい話でもあります。
もちろん、相手が伝えたいことを頑張って理解しようとする「受信力」は大切なのかもしれません。
しかしながら、当然ですが、
相手の話を聞いてばかりでは相互コミュニケーションは成立しません。
社会で生きていく力を身に付けるには、決して「発信力」をおろそかにしてしまってはダメです。
いや、むしろ「発信力」はしたたかに生き抜くための一つの武器なのです。
この武器を手に入れることで、
「人の言うことを聞ける人材」から「自分自身の想いを叶える人材」となり主体的に生きることができるのです。
そして、「発信力」を身に付ける重要な効用がもうひとつあります。
それが、「相手の期待値」を下げることができる、ということ。
これは持論なのですが、世の中のコミュニケーションの破綻は「期待値の上げすぎ」により起こるものだと思っています。
以前の記事でも書きましたが、恋愛を例にすると、
相手に期待しないことで感謝が増え信じる気持ちが上昇するということを述べました。
▼▼▼
3.14、ホワイトデー。恋愛が上手くいく秘訣は、相手に過度の期待をしないこと。【時々、まわりみち。】
このように、逆転の発想ではないですが、
「発信力」を上げることでコミュニケーションは円滑にまわっていくのです。
この「発信力」の上げ方については以下の記事が参考になりますので、
ぜひぜひご覧になってくださいませ。
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〔②他人に振り回されないために「ゴール」を明確化する〕
次は、「ゴール(目的)」を明確化するということ。
これを行う理由としては、他人に振り回されないため、つまり、
自己本位に生きることが「したたかさ」を獲得するために必要なことだからです。
みなさんの中にも、
建前や世間体を気にして自分の想いを犠牲にしたことはないでしょうか?
そんなあなたには、
「他人の意見に従わなければいけない」
「他人の期待に応えなければならない」
というような、ある種の強迫観念があるのかもしれません。
でも、したたかに生きるためには上記のような強迫観念は捨て、
ゴールまでの道のみを歩いていかなければなりません。
そして、ゴールを設定することで一気に他人のルールがどうでもよくなります。
この点は、重要なポイントになるので頭の片隅に入れておくと良いと思います。
誰かが造ったルールに縛られず、自分が造ったルールで生きよ。行き先を決めたら、ただ走り抜けるだけ。【時々、まわりみち。】
上記記事では「他人の決めたルールに従ってはいけない理由」について書いてありますが、
マイルール以外に従っていては、結局は他人基準の人生で生きてしまい、「したたかに」生きれるはずなどありません。
本書では、このゴールのイメージについて、「ゴール」を石に、「自分」を壺にたとえています。
ここで言う「大きな石」とは、君たちにとって一番大事なものだ。それを最初に壺の中に入れなさい。さもないと、君たちはそれを永遠に失う事になる。もし君たちが小さな砂利や砂や、つまり自分にとって重要性の低いものから自分の壺を満たしたならば、君達の人生は重要でない何かに満たされたものになるだろう。そして大きな石、つまり自分にとって一番大事なものに割く時間を失い、その結果それ自体失うだろう。(p227)
僕個人としては、この「石と壺」の例え話が非常にシックリきました。
大きな石(=大ゴール)もあれば小さな石(=小ゴール)もある。
だからこそ、壺(=自分の容量)がいっぱいにならないよう、先に大きな石(=大ゴール)を詰めなければならないのだと。
このゴール設定の大切さについては、こちらの記事をご一読いただければ幸いです。
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自分軸を確立するには、ブリーフシステム(信念体系)の再インストールを。人生に疲れ果て、何を信じて生きていけば良いか分からなくなったあなたへ。【時々、まわりみち。】
〔③人生に対して判断するのではなく「覚悟」を持つ〕
最後は、本書のタイトルにもなっている「覚悟」を持つということ。
もう、したたかになれるかどうかは、最後の詰めである「覚悟」を持てるかどうかです。
結局これができない人は、人生の選択を人任せにしてしたたかになりきることができない人です。
本書では、覚悟を決めることについて、以下のように書いてあります。
なぜカイジは「したたか」になることができ、私たちにはなれないのでしょうか?それは、私たちが「判断」しているから、そして一方でカイジは「覚悟」をしているから、です。(p50)
これは自分が勝手に考えていることなのですが、
「覚悟」とは万人に平等に付与された権利だということです。
カイジは追い込まれて追い込まれて初めて「覚悟」が生まれていますが、
この「覚悟=平等な権利」ということを考えれば、使わなければ損ではないでしょうか?
というか、したたかになる条件が「覚悟を決める」ことだったらなおさらです。(決して「判断する」ことではありません。)
私事ですが、最近まさに「覚悟」を決めなければいけない瞬間がありました。
その前までは、追い込まれ追い込まれ本当に苦しい日々を過ごしました。
だけど、この「覚悟」を決めた瞬間にしたたかになったということを強く実感したのです。
これが、「判断」していたらしたたかになっていなかったことでしょう。
なぜなら、論理的に考えれば誰だって「判断」できますから。
もちろん、「覚悟」を決めることは多大なる緊張感を味わい容易なことではありません。
しかしながら、先ほど「覚悟=平等な権利」と言ったように、筋トレと同じで、
最初は大きく不可能に見える「覚悟」が小さな「覚悟」の積み重ねで可能になります。
【筋トレ】ジムに通わなくてもOK!時間がなくても自宅で簡単にできるダンベルトレーニング4選!【時々、まわりみち。】
カイジを成長させたのは、この「やるしかない」という覚悟です。
自分を追い込んで覚悟を決めるからこそ、したたかに強く生きていけるのです。
(でも、「死の淵」まで自分を追い込むのは絶対にダメですからね!ご注意を!)
【まとめ】
いかがでしたでしょうか?
本日は、『カイジ「したたかにつかみとる」覚悟の話』を通じて、「したたかさ(強かさ)」について考えてきました。
今回ご紹介した本は、木暮太一さん著「カイジ」シリーズ第4弾ですので、
もし本作品以外にも興味があれば、ぜひ以下をチェックしてみてくださいね!
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もちろん、人生に諦めそうになるときもあるかと思います。
まじめさが高じて、正直者は永遠にバカをみると感じたこともあるかと思います。
しかし、だからこそ「したたかさ(強かさ)」が人生のキーポイントとなるのです。
そして、勝ちへのルートをたどり最後には勝利を絶対に手にすることができます。
今がツラかったら、発想転換することが大切です。
したたかに生きることが、生き抜くための秘訣なのですから…。
それでは、今回これにて失礼します。
皆様に、心よりの感謝を込めて。
公平